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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第33章 このままもっと【翔・潤】

潤「真保、次の週末、翔さんの家に行って来るよ。もう売りに出すそうだから、その前に見ておきたくて。」

おだやかだった真保の顔色が一瞬で変わった。

真「やめて、あなた! 行かないで、お願い!」

真保は僕にしがみついて、首を振った。

真「櫻井さんのところには行かないで!」

僕は、笑って真保の腕を解いた。

潤「何だよ、心配性だな。翔さんのお化けでも出るとでも言うのか?」

翔さんのもとに週末ごとに通っていた頃から、真保とは翔さんのことで何度ももめた。

その挙げ句のハワイでの顛末に、真保は翔さんについて神経質になっていた。

真保には、本当に心配をかけた。

だから、翔さんが他界してからは翔さんの話題は一切出して来なかった。

でも…。

潤「これで最後だよ。これでもう翔さんと僕をつなぐものはなくなるんだ。だから…。」

真保は、最後まで反対した。

週末になり、真保が仕事に出かけたあと、車を出した。

高速に乗り、海辺の道を走らせた。

白い洋館が見えてきた。


潤「久しぶりだな…。」

車を停めて、洋館の白いドアに鍵を差して回した。

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