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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第2章 タオル【潤】

『っあ…。』

翔さんの声が耳を離れない。

翔さんに触れたい。
翔さんに甘えたい。
翔さんに抱きつきたい。
翔さんに…

「俺、何言ってんだ。」

グラスに残っていたワインを飲み干す。

涙があふれてくる。

俺達はずっとこのままだと思っていた。
このまま一緒にいられると思っていた。

翔さんは、いつも俺の一歩前を歩く。

「翔さん、誰かのものにならないで…。」

俺はタオルで涙をぬぐった。
俺の鼻腔を甘い甘いベリーの香りが突き抜けた。

「翔さんは、どんなふうに彼女を抱きしめるの…。」

俺は、自分を抱きしめた。

「翔さんは、どんなふうに彼女とキスをするの…。」

俺は、自分の指で自分の唇をなでた。

「翔さんは、どんなふうに彼女に触れるの…。」

俺は、自分のシャツの中に手を入れた。


「翔さんは、どんなふうに彼女と愛し合うの…。」



俺は、ズボンのベルトを外し、自分の敏感なところに触れた。

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