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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第2章 タオル【潤】

俺は右手で自分自身を握った。

「はぁっ!」

それはもうすでに立ち上がっていた。

「翔さん…。」

右手をゆっくりと動かし始めたその時、スマホが鳴った。

翔さんからのメールだった。

『この前話してた柔軟剤の写真を送ります。』

堅苦しい文面に、写真が一枚添付されていた。
俺も知っている銘柄の柔軟剤だった。

「……。」

俺は、翔さんに電話をかけた。
しばらくコールが鳴って、電話はつながった。

『おぅ、潤。メール見てくれたか?』

「あ…、翔さん。見たよ。わざわざありがとう。」

俺は答えた。
右手には、自分自身を握りしめたまま…。

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