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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第2章 タオル【潤】

『知ってるか、潤。西洋では月は狂気をもたらすって言われてるんだ。』

「狼男とか?」

『まぁな。』

だからか、今夜の俺がおかしいのは。

「はぁ、はぁ…。」

声を逃がすのも苦しくなってきた。

「…翔さんも、お、狼男になることがあるの?」

『はぁ、何言ってんだ?お前。』

もう、体がビクビクと震えてきた。

翔さんは、彼女相手に狼男になるの?

右手のスピードをますますあげる。

いっそのこと、俺が狼男になって、翔さんを…。

「うっ、うっ…!」

もう声を逃がすことができなくなってきた。

『潤?どうした?』

「翔さん…、俺のこと、好き?」

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