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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第2章 タオル【潤】

『おいおい、寂しがりの次は甘えん坊か?昔の潤に戻ったみたいだな。』

翔さんは笑う。
昔の俺…。

「はぁ…、答えて、翔さん…。」

絶頂はすぐそこまで来ている。

翔さんは、あきれたように笑い続けている。

一呼吸おいて、翔さんは言った。

『大好きだよ、潤。』

「翔くん…、っ!」

俺は果てた。

甘い甘いベリーの香りに自分の存在を上書きするように。
俺の匂いを、あのタオルに塗り込めた。

『潤?おい、潤?あ~あ、寝ちまったか?もう切るぞ。……、おやすみ。』

翔さんの声を遠くで聞いた。

おやすみ…

俺はそのまま意識を失った。

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