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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第13章 ケータイ小説【翔】

潤の瞳が揺れている。

行き場のない怒りと、目をそらさない俺に戸惑っている。

俺が一歩近づくたび、潤の瞳がますます大きく揺れる。

あぁ、そうだ。
さっき読んだケータイ小説。
目の前の潤は、ケータイ小説の潤そのものだった。

自分の感情をコントロールできないでいる潤。

俺は一歩、また一歩潤に近づく。

場内の全員が、俺の一挙手一投足を固唾を飲んで見守っている。

潤の目の前まで来た俺は、潤の頬に手をやり…



そっとキスをした。

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