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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第13章 ケータイ小説【翔】

あれからも、あまり潤との距離感は変わらない。

もちろん、深い関係に発展するはずもなく。

ただ、ひとつ変わったことは…。

「翔くん…。」

現場で潤と二人きりになると、潤が頬を染めてすりよってくる。

服をツンツン引っ張ってきたり。

決してベタベタとは触ってこないが、とにかく目をうるうるさせて見つめてくるんだ。

俺は潤を横目でにらむ。

めんどくさい奴。

「お前、うざいんだよ!」

そう言って、潤にキスをする。

チュッとかわいい音を立ててキスをする。

すると、潤は満足して俺から離れていく。

毎度毎度、この繰り返し。

本当にうざい。

でも、俺はこのうざさが案外嫌いではなかった。

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