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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第17章 ラムネ【和也】

「アンタは馬鹿か!」

俺はこれでもかと言うほど智を怒鳴りつけた。

「どこの世界に、ナンパの声かけに“一緒に投げ釣りでキス釣りしませんか?”って言う奴いるんだよ!」

「サビキでアジの方がよかったか…。」

俺は頭を抱えた。

「だいたい、アンタはルアーしかしないじゃん。投げ釣りもサビキもやらねぇじゃん。」

「だって、投げ釣りなら浜からできるし、サビキなら堤防から…。」

智はマジだった。

「こんな大混雑の浜で投げ釣りしたら危ないでしょうが!」

「それもそうだな。」

こいつは使えねぇ。

あてにした俺が馬鹿だった。

俺は立ち上がった。

「俺が行く…。」

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