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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第17章 ラムネ【和也】

「お前、本当に駄目だな!」

智が俺を怒鳴りつけている。

「どこの世界に、ナンパの声かけに“一緒にグループ組んで狩りのイベントに参加しようぜ”って言う奴いるんだよ!」

俺は返す言葉がなかった。

俺には、リアルの壁は高かった。

「しゃあねぇな。」

智はクーラーボックスを開けると、俺に何やら投げてよこした。

「ラムネ?」

グリーンのガラスでできた瓶は、キンと冷えていた。

智は自分の分も取り出すと、プッシュして栓をあけた。

吹き出したラムネは瓶からあふれだし、智の手を濡らした。

「何でラムネなのさ。海と言えばビールでしょ。」

俺も栓をあけた。

「だって、カズ運転あるじゃん。」

智は瓶に口をつけるとゴクゴクと飲んだ。

瓶に太陽の光が通り抜けて、キラキラ光った。

ラムネの瓶は、まるで海の中みたいだった。

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