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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第17章 ラムネ【和也】

撤収は智も手伝った。

パラソルとクーラーボックスを肩にかけている。

「アンタ、まさかそのクーラーボックスって釣りで使ってるやつ?」

クーラーボックスに、釣具メーカーのステッカーが貼られていた。

「そだよ。魚の臭いがとれなくってさ。」

よくそれに平気でラムネ入れて来たな。

そう言おうと思ってやめた。

俺は足元に立ててあったラムネの瓶を拾った。

夕日にかざしてみる。

それはまるで、海の中から夕焼け空を眺めているようだった。

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