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先輩とは真逆です

第2章 先輩との出会いは満員電車のなかで

「佐藤、遅刻だぞ。明日反省文5枚を――」
「先生、高捺先生からこの紙を預かって来ました」


それは来る前にもらって来た、遅刻だが罰する理由にならない時にもらう紙。電車が止まった時等に使うのだが、森先輩の親戚とあってか無理を通してもらった。


「……分かった、さっさと席に座れ」


森先輩は頼れる先輩!って感じだなー、凄いな。

僕が席に着くと何事もなかったかの様に授業を始め、あっという間に終わった。

* * * * * * *


「おい佐藤!先輩が呼んでるぞー」
「……?」


昼休み。お弁当を出していると誰かに呼ばれた。
呼ばれた方へ振り向くと、朝別れたばかりの森先輩が立っていて、にこやかに手を振ってくれていた。だけれど僕の近くに偶然居た女子が騒いでいた。


「あれ、私達に振ってくれたよね?」
「いつ見ても格好良いい!」


言っておくけど、貴方達に振っているのでは無いと思いますが…そう思うのは僕だけですか?

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