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凍夜

第1章 氷雨



「ユキはいったい、どうしてこんなことに!!」


女の声が叫びに変わり、私は驚いて受話器を取り落とした。
あわてて拾ったものの、電話は切れていた。


私は座り込み、窓の方を振り返った。

相変わらず、カーテンの隙間から灰色の日射しが入りこみ、雨音がまた執拗に追ってきた。

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