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凍夜

第2章 恥辱




~雪で白く染まりつつある線路の上に、誰かが何かを放った。

騒然とする中、向かいのホームから怒号が起こった。


線路の上に、花束が転がっていた。


「電車が、来るんだぞ!」

向かいのホームからだった。

私の周りの人々が、花束を放った主を探し始めた。


人混みの中、男の囁きあう声がした。



「男か女かも、わからないって……。」

「自殺じゃないかもしれないんだろう?」

「ぐちゃぐちゃだったって……。」


私の体から、血の気が引いた。

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