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凍夜

第2章 恥辱



その時、ゴーッという音とともに、電車が勢いよくホームに入ってきて、あっという間に通過して行った。


特急電車が、風を切って、後尾を振りながら去ってゆくのを私は、ただ眺めていた。


目の端に、散乱した白い花束の残骸が、つむじ風に誘われるようにひらひらと舞っているのが映った。

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