凍夜
第2章 恥辱
私は、家の中でひっそりと眠っている二人をみつけた。
父と母だった。
二人が、なんでここに戻ってきていたのか、見当つかなかったけれど、幼心は揺れた。
しかし、姉の姿が見えないということは、姉の死体を何処かに隠したという事だけは、はっきりしていた。
それなのに、生きている二人が不思議でたまらなかった。
みんなで死ぬ予定だったのに、だから姉は死んじゃったのに、納得がいかなかった。
私は、懐かしい家族の面影をもう一度確かめたかったから、ここに帰ってきてしまっただけなのに、見たくない現実を見せられ、心が凍った。
《信じていたのに……。》