
凍夜
第3章 花
「レイジは私の彼氏よ。私たち本気なの。」
《レイジ……?》
「まだそんなこと言ってんのか?お前も商売してわかってるだろう?あいつらはお前たちを食い物にしてるだけだ。」
「レイジは違うわ!」
アリサさんがカウンターを軽く叩いた。
「私、レイジの為ならなんだってするわ。人殺しだってできるかもしれない。」
「はぁー……。」
銀さんが、やれやれと首を振った。
「ところで、託児所には行ってるか?」
銀さんが、話を変えた。
「あ、マサシは一人で留守番するコなの。心配要らないの。」
「それに、レイジが、パパになってくれるって♪」
銀さんが、生ビールのジョッキを乱暴に置いた。
「しっかりしてくれ!アリサ、レイジみたいなホストの言うことなんて、信じるな!目を覚ませ。」
