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凍夜

第1章 氷雨


《こんなになるまで、飲まなきゃならないなんて》

確かに、そう思ったよ。


でも、なんとなく、あの時、ユキの人生の欠片みたいなものが、ぽろりと剥がれ落ちたように見えて、私は《なんとかしなきゃ》って思っていた。


悲しい味の酒だった。

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