凍夜
第3章 花
《青少年という言葉は、どんな時に使うのだろう?》
私は、マサシと毎晩のように会うようになった。
私達は、大人びた服を着て夜のススキノにうまく溶け込んだ。
私にとって、マサシといる夜のススキノはコンクリートの花畑だった。
毎晩、色とりどりの花が私に誘いかけるように揺れていた。
髪の色を染め、化粧をし、煙草、酒へと手を伸ばし、自然に大人の真似をすることで私は自分の暗い過去を忘れそうになってきていた。
でも、私達の関係をステップアップする為には、どうしてもその過去を消化する必要があった。
私は、このコンクリートの花畑で王子と幸せになりたかったのだ。