凍夜
第6章 浸食
「ユキ!20卓の客、アレキモくね?」
「超キモいよ!ガツガツしちゃってさ、マジムカつく!」
「ピンサロと違うっつーの!バカじゃね?」
「おかげで飲みすぎちゃったよ!現実逃避ってカンジ。」
「あんま飲みすぎんじゃないよ?また、怒られちゃうよ?」
「え~?ヤダァ!もぉ。」
大音響のフロアーの中で、大声で声をかけあう私たちはまだ本当に若かった。
「ユキ!明日も来る?」
「え~?多分ね♪」
ユキはよくその言葉を裏切った。
ユキは面白くない事があるとすぐ店をブッチして、罰金上等でクラブに入り浸った。
私は何度も、クラブにユキを迎えに行った。