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凍夜

第7章 海溝



~25年前、私達が結ばれなかったあの朝、私は自分が汚れているような気がした。


マサシが「俺は汚い」と言えば言うほど私は自分が汚いと言われているようで混乱した。


私はマサシの事をそんなふうには見ていなくて、むしろ、ありのままを語ってくれたマサシに対して、「私に向けた本当の愛」だと思っていた。


私と同じように犬になったマサシは何にも変えられないことを共感したのだと思った。


TVのニュースや新聞で、静香母子の変死は麻薬のせいだと取り沙汰されて、銀さんが取り調べにも応じた。マサシの事を疑う人は誰も居なかった。

《またも、ススキノあの超高級ソープ店で女性〈22〉が死亡!
麻薬LSD 使用も!
母子自宅8Fからダイブ!》


ダイアモンドは悪い意味で注目のまとだった。

そんな矢先、ダイアモンドに在籍していた女性の中に不覚にも未成年者が一人混じっていたのが警察の調べで挙げられ銀さんは逮捕された。





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