ストリートガール
第3章 ギャル
そんで、ソノミと私は、モールの多目的トイレに二人で入り服を着替えた。
「ね?ソノミ、カズ君いくら金使ってた?」
「まったぁ!カネカネってマヤったら。これはね、愛のカタチだよ?カタチ!」
ソノミは胸元にラビットファーのあしらわれたワンピースを着こんで、人指し指を上げて左右に振って見せた。
「カタチ?」
私が、ポカンとして、言ったら、ソノミは柄タイツに足をくぐらせながら、「愛されてるって証拠でしょう?愛情なかったらこんなことしてくれないよ?わかる?」って私を見た。
「あー!その目はわかっていないね?いい?マヤ。マヤだって既にヒデ君に愛されてんじゃん?カネカネ言ったら、嫌われちゃうよ。」
「愛されてんの?私。」
私は黒いレースのティアードスカートを引っ張るようにはきながら、訊いた。
「そうだよー!ヒデ君すっかりマヤの虜ね。」
《愛されてるって……?》
「私は愛されたいの。もっとね。」
ソノミはそう言って、自分の顔を撫で、身につけたワンピースを確かめるように触った。
「私は、ウリとか絶対しないの!」
《でも、これって、タイプは違うけど、なんかウリに似ていない……?》
私は、さっきまでちょっとソノミが羨ましかったけど、なんだかちょっと可哀想な気がしていた。
《ま、私が言えたことじゃないんだけどね。》