
ストリートガール
第3章 ギャル
「ワタシ、そろそろ帰らなきゃ。」
「だよね?送るよ。」
帰りの車の中で私はカネの引っ張り方を考えていた。
ソノミにはくれぐれもカネカネ言うなって言われていたけどね。
「あっ、アノね、ヒデ君?マヤね今月チョト生活苦なんだ……。」
私がしおらしく頭を垂れていたら、ヒデ君が、「エ?ひょっとして、マヤちゃんお金目当てなの?なんだソレ?」って。
「……。」
私が黙ってうつむいたら、「アノね、マヤちゃんが、俺のこと好きなんだよね?アレ、メールに書いてたよね?」
「……?!」
「わかる?俺は大学生、成人してんの。マヤちゃんにナニかしたらインコーなの、カネ払ったらジドウカイシュンになんの。」
《最初からそのツモリだったのか?》
「……ヒデ君?」
《うわ、めんどくせー!》
「わからないかなぁ?」
「ま、きょうは頑張ってたよね?俺は結婚相手もいるし、マヤちゃんの気持ちっていうのかな、嬉しいけどこのくらいしか応えられないよ。満足してくれたかな?」
《悔しい!》
「……でも……ヒデ君……。」
《乗り逃げされるワケにいかないよ》
「マヤちゃんのオマンコが、欲しいっていうからでしょう?中学生なのに困ったもんだね。」
車は駅に停まった。
私がまた下を向いたら、「着いたよ。楽しかったよ?これで帰るとイイよ♪」
ヒデ君が私の手に握らせた。
「元気でね、マヤちゃん。」
〈バタン、ブブ~!〉
私は肩からブーツの入った紙袋を背負い、握っていた手を開いた。
五千円とコンドームが一個入っていた。
その金額が安いとか高いとかじゃなく、おこづかい制度で男とヤるのは割りに合わないかも……って、勿体ないって強く感じたよね。
「な~んだかね?ハァ!」
