食わず嫌い
第3章 チョコレート
「待って。まだ味わってない」
桐也は俺の口内に無理矢理舌を入れる。
「……んっ……」
桐也の舌が俺の歯をなぞる。
そのたびにゾクゾクして、気づいたら俺も桐也の舌を追っていた。
「……んっ、ん……」
口の中に残ったチョコの甘さを、桐也に全て持っていかれる。
「…このチョコ、すっげぇ甘い」
桐也が俺の舌を味わいながら言う。
「全部食べちゃいたい……」
そう耳元で囁かれて、俺の背中はゾクゾクした。
「……じゃあ、食べて」
もう、我慢できない。
もう、ごまかせない。
俺は……
桐也のキスがいつのまにか、たまらなく好きになっていた。