ネムリヒメ.
第5章 シャンプーとアイスクリーム.
「は…ぁ…っ」
「あまっ…バニラの味する…」
「ゃっ…ん………」
葵くんの腕の中で、彼の匂いに包まれながら身悶えていると、ふとアタシの霞んだ視界に人影が過った
葵くんの背中越しに、誰かが立っているコトに気がつく
っ…聖くん…!?
なんで!!?
驚くアタシに向かって彼は気配を殺しながら、シーっと顔の前で人差し指を立てている
そんな聖くんに葵くんはまったく気づかない
すると、聖くんはアタシに向かって声を発することなく、微笑みながら口を動かした
『たすけてあげよっか…』
葵くんに煽られてるからよく見えなかったけれど、アタシにはそう見えた気がした
「んん…っ」
助けて…欲しいかも…
眉を寄せて聖くんに瞳で訴える
聖くんは、アタシの顔を見てなにかを悟ったのか
笑顔でオッケーマーク作ってをちらつかせた