ネムリヒメ.
第9章 イチゴ味の夜と….
「はっ…苦しっ…んんっ…」
部屋を出て閉めた扉に寄りかかると、ずりずりとそのまましゃがみこむ
「はぁっ…はぁっ…」
苦しくて、怖くて、目の前がぐらぐらする
胸を抑えて呼吸を整えようとしたけれど、うまくできなくて余計苦しくなった
ヤバイかも…
立ちたくても脚に力が入らなくて、意識が朦朧としてくる
汗なのか涙なのかわからない水滴が頬を伝い落ちた
「っ…はぁっ!!」
下の階のリビングから人の声がするけれど、苦しくて声が出せなくて
もがけばもがくほども不安という恐怖と息苦しさが、喉元を締め付けるようにアタシを苦しめる
「はっ…はぁっ…んっ…」
知らないうちに溢れた涙がポタポタと廊下の絨毯を濡らし赤黒い染みを作っていた
助けて…
声にならない声で心のなかで叫んだ
たすけて…
すると突然、頭の上から誰かの声がした