ネムリヒメ.
第9章 イチゴ味の夜と….
彼の熱い舌で上顎を撫でられるとカラダの奥がゾクゾクした
「ふぁ…」
思わず鼻から甘い声が漏れる
「だからダメだって…眠れなくなっちゃうよ」
濡れた唇で囁く葵くん
わざとだとわかっているのに彼の言動に心臓が激しく踊らされる
…ゴーン…ゴーン……
その時、ダイニングにある大きな柱時計が鳴って夜中の12時を告げた
それを合図にするかのように彼の唇が離れる
「ははっ、そろそろ寝よっか…」
さらっと余裕の笑顔で微笑む彼に、赤い顔で少し息を乱して余裕のないアタシ…
「………」
黙りこくったアタシをカップやお皿を片付けながら葵くんが笑う
「あれっ、ホントに眠れなくなっちゃった!?」
こんなのされて眠れるわけないじゃん…
「…うん」
「…えっ!?」
素直に肯定的な返事が帰ってきたコトに驚いたのか、彼が一瞬動きを止めて振り返った