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ネムリヒメ.

第10章 眠らない夜.






「ねぇ、顔も赤いし、脈も早いよ!?」


「ぁ…うん…」


たぶんそれは聖くんのせいだと思うな…


「耳赤いし…」


額を着けたまま耳に触れる彼


「目も潤んでるし…」


っ…


上目遣いで揺れる瞳がアタシを見つめる


隣の彼に聞こえてしまうのではないかと思うくらい鼓動が跳び跳ねる


…だからっ

う、うるさいってば心臓!!


いつのか間にか聖くんのペースに持っていかれてて、対応に困る



そして、



「ぁっ…オレのせいか」



「っー!!!」



あっさり額を放してにっこり笑う聖くん



…確信犯っ!?



あはは♪と笑いながら頬っぺたをぷにぷにする彼の姿が小悪魔に見えた


アタシはぐったりと肩を落として溶けかけたアイスをかき混ぜる


「でもホントに平気!?」

「ん、たぶん寝不足だよ」

「もしかしたら風邪かもしれないよ…きのう雨に濡れてるし」

「んー…」



この時、気がつけばよかった…

本当に体調が悪いことに…


今日もアイスが溶けちゃって、残念でそれどころじゃなかったアタシは


はぁ…バカだったな




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