ネムリヒメ.
第10章 眠らない夜.
「ちーちゃん、もしかして体温高い!?」
「んー、そんなことないと思うけど」
聖くんが顔を覗きこみながら手を握った
聖くんの手…冷たくて気持ちいい
「え…少し熱いよ!?」
「そうかな!?」
自覚ないんだけどな…
「こっちは?」
ヒヤッとした感覚とともに、目の前に聖くんの綺麗な丸アーモンド型の目が映りこむ
「っー…!!」
顔…近いっ!!
聖くんは額をアタシの額にくっつけたまま頬に触れる
彼のアイスを持っていた手は程よく冷えていて、冷たくて気持ちいい…
って、おでこ…
おでこ着いてるっ!!
いやいやいや…
熱計ってるだけなんだから、アタシの心臓はおとなしくしてていいんだよ
この距離感は何気にキスより恥ずかしい
うるさい、うるさいよ…
「んー…やっぱちょっと熱いかも」
そんな慌ただしい胸の内を聖くんは知るはずもなく、至近距離で彼の栗色の瞳が揺れる
心臓がドキドキと音をたてて顔に熱が集まってくるのがわかった
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