ネムリヒメ.
第10章 眠らない夜.
…星の瞬く音が聞こえくるような静かな夜
千隼が眠りについたあとも聖は渚の部屋にいた
聖はベッドの上で千隼の額の上のタオルを取り替える
そして、長い睫毛を伏せて眠る彼女の寝顔を見つめながら長い髪をそっと撫でた
どのくらい時間がたっただろうか
時計を確認すると、もうとっくに日付が変わっている
彼女は薬が効いて眠ったといえど、呼吸は少し荒く息苦しそうで何度も寝返りをうっている
火照った肌にはじんわりと汗が滲んでいた
胸元に触れると、いまだに引かない彼女のこもった熱が聖の手のひらを熱くする
「眠ってる?」
「うん、一応…」
部屋の奥のデスクでたくさんの書類を整理しながら 渚が声をかけてきた
渚はデスクをたち、千隼の眠るベッドまでやってくると熱い息を吐き出す彼女の唇をそっとなぞる
聖も千隼の顔を見つめた
「ちーちゃん…いろいろ大丈夫かな…」
「…こいつには、いっぺんに色んなコトがありすぎる…」
「…だね」