ネムリヒメ.
第11章 体温計と風邪薬.
「朝からそんな顔してんなよ…」
だったらそんな扇情的な顔しないで…
彼の半端ない色気がアタシを煽る
「だって…」
なんかアタシおかしい
トクン…
高鳴る心臓の甘い音
もしかして期待してるの…!?
ううん、そんなわけないよ…
「だってなに…!?」
そんなわけ…
彼のギラっと揺れる瞳のなかに映る自分の顔…
…ドクンッ
っ…!!
まさか、自分がこんな顔してるなんて…熱のせいにしてしまいたかった
たった数日、彼に抱かれただけなのに…
その先の甘い刺激を…
…彼を欲しいと思ってしまう
「なぁ…」
低い声で耳元で囁かれる
「っあ…」
「熱出してるヤツがそんな声だしてんなよ」
「んんっ」
彼のあだっぽい声に背中がぞくぞくする
「…抱きたくなんだろ」
「っ…」
真っ白な頭のなかでなにかがパンっと音をたてて弾けた気がした
渚くんに髪を撫でられそのまま両手で顔を抑えられる
揺れる瞳で彼を見つめ返すと間もなく、唇を奪われた