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ネムリヒメ.

第11章 体温計と風邪薬.




眉を寄せる渚くんの顔を見るんだけど…


「ぇ…!? あ…れ……」


彼の顔の輪郭がぼやける

え、え、ええっ!? なにこれ!?
グニャッって…

アタシはわけがわからず瞬きをして頭を振る

うわっ、余計ダメかも


「っ、どうしたの?」


明らかに挙動不審なアタシに向かいにいる葵くんも顔をあげる


すると…


「…うわっ!!?」


目の前が思いきり歪んだ

平衡感覚がよくわからなくなって隣にいる聖くんに頭から思いきりもたれかかる


「えっ…ちょっ…ちーちゃん!?」


驚いてアタシを咄嗟に支える彼


このタイミングで目眩とかいいのか悪いのか…

…いや、いいわけがない


「あ…ゴメ……」


ぼやける視界に映る聖くんの顔


驚いているような、心配しているような
ん…よくわかんないな…


聖くんが慌ててアタシの額や頬に触れる


「ん…大丈夫」


彼の手の感触を感じながら、そう告げてカラダの起こそうとする


「…っ、全然大丈夫じゃないから!! ちーちゃん、カラダ熱いよ」


「…ふぇ!?」


聖くんの慌てる声が聞こえた




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