ネムリヒメ.
第13章 シャンパン☆ストロベリー.
「ね、葵くんってば」
今にも落ちそうな彼の瞼
「ちーちゃん…」
すると葵くんの手が伸びてきて、上から顔を覗きこむアタシの濡れたままの髪に綺麗な指が触れる
「……オレ…」
「ぇ…!?」
彼に引き寄せられ重なる唇
「…ゴメン…ね………す…き…」
唇を離し、そう呟くと、再び長い睫毛を伏せパタリと音をたててベットに落ちる彼の腕
は………!?
その言葉を最後に葵くんは静かな寝息をたて始める
「…………」
呆然と彼の顔を見つめるアタシ
カラダを揺すっても、もうビクリとも動かない
葵くん…寝不足っぽかったもんな…
っていうか、さっきのなんだったんだろ
リップサービスにしては、ちょっと変なの
"ゴメンね…すき…"
このときこの言葉は彼の寝言としか思っていなかった…
翌朝、アタシはこの言葉の意味を
これでもかと言うくらい 思い知ることになるとは知らず、今夜
彼の匂いに包まれながら眠るのだった…