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ネムリヒメ.

第13章 シャンパン☆ストロベリー.




…なんて、今さら遅い



「ちーちゃんのためにもう1回だけ言ってあげるね…」


「っ!!」


にじみ出る彼の…甘くて、危険な空気



「ゴメン…オレ、寝起き…

…すごく

キゲンワルイから…」



"…ゴメン…ね………す…き…"


………!!


彼にもう一度言われて、ようやく繋がる言葉の意味


そしてそれがわかったところで、あっという間に塞がれる唇


「ふ…んんっ」


舌を絡めとられて息が上手くできず彼の胸板を叩く

しかし、その手すらベッドに縫い付けられアタシの口内は彼に犯される


苦しくて頭がクラクラするのに、なぜか熱くなるカラダ


「ふ…んやっ…だ…」

「教えたよね、それ…オトコを煽るって」


ギラギラした彼の獣のような目がアタシを捉え、その犯すような視線にカラダの奥が甘く疼きだす


「それとも…わざと!?」

「んっ、…ぁっ」


ざらりとした舌で顎の下からベロリと舐めあげられピクリとカラダが跳び跳ねた


「ホント、かわい…」

「っ…」


低く掠れた彼の声が、気だるそうに細める彼の瞳が、そして危険で甘い彼の空気が…

彼のすべてがアタシを誘惑する


「ね…抱かせて…」


今なら間に合う

今なら戻れる


「葵くん…」


なのに…

自然とアタシの手は引き寄せられるように彼の綺麗な髪に伸びて…


囚われてしまう…彼に

求めてしまう…この先を



「…オレをこんな風にするなんて…

ホントに…イケナイ子…」



……戻れない……



…自分でそう確信したのは、彼に再び唇を塞がれたあとだった





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