ネムリヒメ.
第14章 シュガー&スパイス
「大丈夫…朝食がくるまでは終わらせてあげるから」
バスタブに腰をおろすアタシに屈んで目線を合わせながらニヤリと微笑む彼
朝食まではって…
朝食のルームサービスが届くまでなんて時間は山ほどある
「っ…」
そのギラギラする視線に背中をゾクゾクさせていると、彼の綺麗な指が頬に触れた
そして彼のさらさらの髪がアタシの額に触れ、その後に唇に優しい感触が触れる
「ちーちゃん…」
名前を呼びながら啄むようなキスをする葵くん
「は…んっ…」
吐息を溢すと、チャポンとお湯が揺れる音がして彼が頬を両手で抑えたままだんだん深く口付けてくる
彼の貪るようなキスにあっという間に絆されて、真っ白になる頭
唇から漏れる蜜の絡まる音がカラダを熱くさせ、彼のキスに答えるかのように舌を絡ませるアタシ
そして、無意識に伸びる手はその先をねだるかのように彼の綺麗な金色の髪に触れる
自分から求めてしまうなんて、いつの間にこんなカラダになってしまったのだろうか…
アタシの手に葵くんが手を重ねる
指を絡めとって首筋に顔を埋める彼
チュッ…チュッ…とリップ音がバスルームに響いて、その度にピクリと肩が揺れる