ネムリヒメ.
第3章 無くしたモノ.
すると、そこにコーヒーが差し出される
渚がチラリと顔をあげると
先ほど一緒に部屋にやってきたふんわりカールの男
…聖(ひじり)がニッコリ微笑んでいた
「さんきゅ…」
「……渚くん、ヤリすぎ!?」
聖のその言葉に口に含んだコーヒーを吹き出しそうになる
「っ…!!」
「あはっ、どう見たってさっきの状況からすればそうでしょ」
そんな渚に聖がヘラっと笑う
「あれは完璧に朝から襲って泣かせちゃった画だよねー」
と、さらにちゃかす葵
しかし、渚は再び顔を伏せて黙ったままだった
「…ナギ!? おーい…」
「ぁははっ♪ 放心するほどって、朝から激しいなぁ…って渚くん?」
「…アイツ…………ってた」
「「はっ…!?」」
テーブルを見つめたまま呟く渚の声に
それまでヘラヘラしていたふたりの声が重なる