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ネムリヒメ.

第14章 シュガー&スパイス







「なにそんなに朝から可愛い顔してーんの!?」

「なっ!!」


アタシの前に回り込んでわざとらしく顔を覗きこんでは頬をつつく彼に、指が触れた場所からあっという間に熱が込み上げる


片手をアタシの指に絡め、優しい極上の笑顔をむけるお洒落眼鏡の王子は、アタシの胸のうちなんて知ってか知らずか、今日もその笑顔でアタシを殺そうとしているんだ


「信じらんない…」

「え!?」

「だって…」


だって、だって、だって…


寝起きの悪さは百歩譲って許してあげる

でもっ…

まさかホントに朝食がくるまで抱き続けられるとは思わなかった!!

もちろん、ツッこむのはそこじゃないのはわかってる

渚くんと聖くんに続き、葵くんともなんて…

でも、そんなのあとっ!!


朝食がくるまでって、意味が違う

アタシがようやく彼の腕から解放されたのは朝食のルームサービスの部屋のチャイムが鳴ってからであって

あんな連続で…って、思い出すだけで顔が熱くなる

おかげさまで朝から全身ガタガタなんですけど


「腰痛い…」

「…ああ♪」


ああっ、って…


「抱っこして欲しいの!?」

「ッ…!!!」


違ーう!!




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