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ネムリヒメ.

第14章 シュガー&スパイス




激しく壊れそうなくらいにアタシを抱いといて、この胸焼けするくらいの甘さと優しさって

ギャップ萌えなんて言葉を通り越して心臓にガッツリくるんですけど…


惚れ…いやいやいや、ないないない

アタシには楓がいるからっ!!

でも、その笑顔にいちいち心臓が掴まれる

心臓にスペアはないんだけどな…困る




あぁ…神様、仏様

どうか帰るまでアタシの心臓もちますように…


しかし、


「ボーっとしてると置いてくよ!?」


……チュッ


「………!!」


あぁ、わかった

神様なんていないんだ…

楓ゴメン、先立つ不幸を許して


通称、"オンナ殺し"…

再び唇を奪ったうえ、そんな異名のキラースマイルで追い討ちをかける葵くんに、アタシの心臓は崩壊の危機を迎える


「ほら、迷子禁止♪」

「…信じらんない!!」


微笑みながら差し出される彼の手

アタシは真っ赤な顔でちょっとだけ膨れながら、その手にそっと指を絡めた




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