ネムリヒメ.
第3章 無くしたモノ.
「んわっ!?」
ぎゅっ…
渚くんがダイニングの扉を開けると、突然誰かに抱きつかれる
「ちーちゃん、おはよ」
耳元から聞こえる甘い声に顔をあげる
あぁっ…さっきの…
アタシに抱きついて思いきり頬擦りしているのは、さっき渚くんの部屋に入ってきた金髪の彼
アタシの泣き顔と裸をバッチリ拝んでいった彼だった
「うんうん、柔らかい♪可愛い♪いい匂い♪」
「いい匂いってオレのシャンプーの匂いだし」
「ナギ、うっさい…」
間近でよく見ると渚くんに負けず劣らずの美男子たったりする
明るい金髪にメッシュが入ったサラサラの髪
長い睫毛にカラーコンタクトが入ってる濃いブルーの瞳
それに綺麗な肌に、整った目鼻立ち
そんな彼の爽やかな香水の匂いが鼻を掠める
マジマジと見つめていると彼と目が合う
「オレ、葵。ねぇ…今日はオレと寝よ」
「ぇ…あの…」
そして、いきなり頬にチュッとキスをされ、次第に頬が熱くなる
そんな彼に満面の笑みを向けられてどうしていいかわかんなくなった
これはたぶん、オンナ殺しのスマイルだと思う…