ネムリヒメ.
第17章 極上スイーツ.
「…ん……うっ……ふぁ…」
「はあ……」
後ろから押さえ込まれた後頭部
深くて熱っぽいキスに耳を掠める彼の吐息が色っぽくて、それだけで下腹部がキュンと疼いて
唇の隙間からこぼれ落ちた混ざりあった甘い蜜が、アタシの首筋を濡らしていく
頭を抑えていた手は髪を撫で、探り当てられた背中のファスナー
それをゆっくりと下ろす彼は、濡れた首筋を舌でベロリと拭った
「っ…や……ぁ……!!」
ピクリとカラダが強ばって視界が白く霞む
「腰浮いてる…」
「…ゃ……ん」
ゾクゾクして、カラダが熱くて、もっと触れて欲しくて、淡い快感が堪らなくて渚くんの肩に額を押し付ける
……と、
突然甘い匂いが鼻をついた
渚くんの香りじゃない、
食べ物の…匂いが
そう、甘い…
甘いっ!?
ハッとして顔をあげる
すると…
「………………!!」
霞む視界の先には両手に美味しそうなパンケーキを乗せた、天使の顔をした悪魔の姿があった
う…そ……
殺気を帯びた天使の微笑み
ゾクっと悪寒が走って、
「渚くん…待っ…ん」
慌てて渚くんに制止を求めるけれど
「ムリだから…」
そう…じゃなくて、
「っあ…聖く…ん…」
「他のヤツの名前呼んでんなよ…」
「ひゃ…!! あぁ…」
渚くんが露になった肩に歯をたてる
「ふ……んんっ!!」
痛みと快楽にビクビクと腰が揺れて、滲む涙に揺らぐ視界