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ネムリヒメ.

第3章 無くしたモノ.







それに、聖くんのいじけた顔…ちょっと可愛いかも…


つい、そんなコトを考えていると、左からフォークが伸びてきてアタシのお皿にニンジンが置かれた


ぇ…

「ちーちゃんにこれもあげるねー。いっぱい食べてね」

「ぁ…ぇと、聖くん!?」

聖くんがニコッとしながら甘く煮られたニンジンを積み上げていく


「お前、甘いもん好きだろーが」

「ぇー、これは別。はい♪あーん…」

「んぐっ!?」


渚くんの言葉にも構わず、聖くんはアタシの半開きの口にニンジンを突っ込んだ

口の中がニンジンでいっぱいになる


人参には罪はない…


しかし、一生懸命モグモグしていると再び横からフォークが伸びてきて、今度はアタシのお皿に残っていたハンバーグをかっさらっていった


「んーっ!!!」


ニンジンがいっぱいの口のまま叫んで、フォークの行く先を目で追って横を見ると、聖くんの笑顔にたどり着く

そして彼は涙目になるアタシの目の前で、実に美味しそうに奪っていったハンバーグにかぶりついた



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