ネムリヒメ.
第2章 目覚め.
チチチチ…
爽やかな風が頬を撫で、小鳥のさえずりが聞こえてくる
目の前の明るさに重たい瞼をゆっくり開いた
ん…よく眠れた…
横になったまま大きく背伸びをしていると ぼやけている視界がだんだん澄んでくる
喉乾いたな
お水 飲みたい…
目覚めはあまり得意ではなく、まだ頭はボーっとしている
気だるいカラダでゆっくりと寝返りををうつと
窓から差し込んだ春の日差しが、キラキラとシルクのシーツを照らしていた
「………」
そっとシーツを撫でるように手を伸ばす
あ…れ……
なぜか感じる不思議な違和感
アタシ…ひとりで寝てた?
…さっきまで誰かに抱かれていた気がした
眠っていた時の心地よさを思い出す
確かに感じてた人の体温
人の…
…誰…の……
………
誰!?
誰? 誰!? 誰っ‼?
サァーっと一気に血の気が引いていくのがわかった