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ネムリヒメ.

第3章 無くしたモノ.








…アタシになにが…あったの…?



「っ…」



わかんない


わかんない…


周りの音がなにも聞こえなくなって

自分の鼓動が大きく聞こえる


「っ…やだ…」


「千隼っ!?」


ドクン… ドクン……


「やだ…やだやだやだ…」


自分の心臓の音が嫌なくらい大きく聞こえてきて思わず耳をふさいだ


突然襲ってきた大きな不安に

目の前が霞んで 目をギュッと閉じる


「わかんない……わかんないっ」


わからないコトってこんなに不安なの!?


「やだっ‼ やだっ…こわいっ」


そんな不安がさらに不安をよんで


よくわからなくなる


「ちーちゃん!!」


隣にいるはずの聖くんの声がものすごく遠くに聞こえた




──真っ暗な世界で…



どうにか不安という恐怖を取り払いたくて



必死に首を振って 身を捩った



でも怖くて…



でも胸が苦しくて…



息ができなくなりそうだった──





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