ネムリヒメ.
第22章 あの夜の…….
「オレとキミのナカ、でしょ!?」
「っ…」
押し当てられた銃の先でグイッと持ち上げられる顎
目の前オトコが、さっきの彼だとわかったところで、意味も状況もまったくといって良いほど理解不能のままだった
「もう一度聞くけど、なんでひとりでフラフラしてたの!? ひとりになっちゃダメだってお坊っちゃまたちに言われなかった?」
顔を近づけながらアタシを問い詰める甘い声
「それとも躾が足らない!?」
「ふ、んんッ…」
「…そんなわけないよね、こんなに素直だし…可愛がられてる証がたくさんついてる」
首筋にチュッと音をたてられ、刻まれたばかりの紅い跡をなぞるように這わされる舌の柔らかく温かい感触にビクンとカラダが震える
"お前…絶対誰かの目の届くところにいろよ"
"…離れんな"
そういえば、カジノに行く途中、エレベーターのなかで渚くんが言ってた
それってこういう意味だったの!?
「ッ…」
だけど、今さら気づいたところで、もう…
すると、
「さてとそろそろ、続きをしようか…」
アタシの反応が思い通りで嬉しいのか、にっこりと笑うオトコがカラダから銃を遠ざけ、そう切り出す
「続…き……」
極度の緊張から解き放たれ、硬直していた全身の筋肉が久しぶりに緩む
しかし、拘束され、今の今まで凶器を突きつけられていたアタシには嫌な予感しかしなかった
「そう、続き…あの日の続き」
「………!!」
「キモチイイこと、好きデショ!?」
「ッ…!!?」
まるでその言葉を合図にするかのように、なぜかカラダが熱を持ち始める