ネムリヒメ.
第22章 あの夜の…….
「は…あッ…ウソ、言わ…な…」
これがせめてもの抵抗
その間も、囚われたカラダがどんどん蝕まれていくのがわかる
考えたいのに頭がクラクラして、
自分が自分であるのを繋ぎ止めるのは、ほんの僅かな理性だった
「ウソじゃない」
「ッ…イ、ヤ…っああ!!」
触れられるたびに襲ってくる酷く強い感覚に、ビクンと大きくカラダ震える
どんどん敏感さが増しているように感じる
涙で潤む瞳…
そんなアタシにオトコは続けた
「キミ、手ぶらだったでしょ!? ここのエレベーターはルームキーがないと客室フロアには行けない
…意味わかるよね
どういう理由でアイツらの所を飛び出してきたかは知らないけど、キーを持ってないキミが部屋に戻ってるなんて誰も間違っても思わないだろうから」
「………」
「…誘拐でもされなきゃね」
…………!!
アタシを暗闇のどん底に突き落とすオトコの言葉
「それに誰かが気がついて、ここに戻ってくるのと、キミがオレの手に溺れるのと…
どっちが早いかなんて愚問でしょ」
「ん…ひゃ、あ…!!」
瞳から零れ落ちる涙を拭うオトコの舌
「そんな顔しなくても、怖いくらいの快楽をあげるよ」
「んう…!!」
今度はそれを、重ねられた唇の隙間から差し込まれる
「は…あっ、ん……ふ…う…」
熱い吐息ごとねっとりと蜜を絡められ、頭の芯を溶かされる
唇の端から零れ落ちる混ざりあった甘い蜜
カラダはもう言うことを聞かない
薔薇の棘が絡み付くように、アタシの全部を酷く強い快楽が雁字搦めにする
「さて、楽しもうか…あの日の続きを、ね」
「は…あ…ッ…!!」
薔薇色に染まる頬を撫でながら、オトコの濡れた唇がそっと囁いた