ネムリヒメ.
第4章 楓─maple─.
しかし、微妙な空気のなか、突然このオトコがとんでもないコトを言い出した
「……要するに楓のヤツが、ロリコンなのはわかった」
はぁ!?
「うわー、そんなコト楓くんに言ったら渚くん半殺しに合うよ」
「じゃ、やっぱアイツ鬼じゃん」
「ちょっと!!」
楓のコトを鬼呼ばわりする渚くんを軽く睨む
「楓のコト悪く言わないでよっ!!」
「はぁっ!? なに言ってんの、お前。楓はお前にだけ甘いんだよ…ってか、これでわかった」
「なにが?」
アタシの口がどんどん尖る
「楓が恋愛沙汰に疎い理由…」
「はぁ!?」
恋愛って…彼女とか?
楓に恋人っ!? 彼女いるの!?
「なにそれっ、楓、彼女いるのっ?」
顔を真っ青にして、焦って突っかかるアタシの様子に渚くんがお腹を抱えて笑い出す
「ははっ!! なにお前…その歳で、ヤキモチ!? 実の兄貴にヤキモチとか、お前相当イタイよ…」
渚くんに笑われて頭にきて顔が赤くなった
だって…図星だもん
「笑わないでよ!! アタシは楓 一筋なのっ!!」
もう、渚くんこそ どっちが鬼で悪魔なんだ