ネムリヒメ.
第5章 シャンプーとアイスクリーム.
そして本日何度目かの放心…
「…あーあ、また溶けちゃったね……」
そう投げ掛ける彼の声に我にかえって、見れば手元にあった残りのアイスクリームはドロドロにとろけていた
「…ちーちゃんの、熱で」
「…っ!!」
聖くんのその言葉に、一気に顔が赤くなる
「あはっ、赤くなった顔 かーわいっ♪」
真っ赤になった頬っぺたをプニプニと無邪気な笑顔でつつく彼
「怒んない、怒んない」と頭を撫でられ
優しいのか意地悪なのか、つかめない彼の仕草に鼓動が大きくなる
「明日はぜんぶ食べられるといいね」
と、極上の笑顔を向けてくる聖くん
その笑顔に心臓がキュンと音をたてて頭のなかが彼色に染まった
それにしても1日に2個もアイスを溶かしたのは初めてだ
明日こそはぜんぶ食べてやる…と、こんな状況下でも燃える闘志
やっぱり恐ろしや、アイスの誘惑♡
「また明日食べよ♪」
そして、彼に言われて素直に頷いちゃうあたり
非常に恐ろしや、アタシのアイスクリーム愛♡
…色気より食い気なのかな!?
ごちゃごちゃなアタシの頭のなか…
しかし造りは非常にシンプルなのかもしれない
…それはそれでなんかヤダな
「…ごちそうさま」と含みのある笑みを浮かべる彼に見送られ、
「おやすみなさい」とアタシは聖くんの部屋をあとにした