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未知夢

第9章 異動

「これはこの状態が原石なんか?」


 まだ、聞いてくる。


「そうですねぇ。かなり角が取れて非常に滑らかになってますが……」と、言いながら、繁は思った。


 早く逃がしてくれ……。


 このままだとアドリブが続かない。


 絶体絶命。


 意気消沈。


 また、めまいのよう感覚が繁を襲った。



 ――――
 ――――
 ………
 ……
 ‥



『ピーーーン』




 深い闇の中にいるような、ゆったりとした空間。


 まただ!


 唐突に来るこの感覚……助かったのか?


「ん……え?」


 繁はゆっくりと目を開けた。


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