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未知夢

第10章 身心

 繁は頭を抱えた。


 幻覚?


 こんなリアルな幻覚があるかよ!?


「俺が飲んだビールも幻覚か?」


〔それは現実だ。言ったろ所々に見てるって〕


「じゃあ……なぜ幻覚から覚めない?」


〔お前が真実を知りたがってるからだよ〕


「真実?」


〔あぁ、それがハッキリするまでは幻覚が覚める事はない。助けたいんだろ……高円寺綾〕


「!!」


〔わかってる……好きだったもんなぁ。出したCDは保存用と一緒に2枚買って、雑誌や新聞に載ってた記事の小さな顔写真でも、切り取って保管してたくらいだ。森屋より応援してたからなぁ〕


 心は天を見上げた。夏の夜の星空は格別だった。


 繁も同じように天を見上げる。


 なぜか、胸の内がスッとくる。


〔今のお前の気持ちが俺の心境や〕




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