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未知夢

第10章 身心

「お前もわからないんじゃねぇか」


〔だが、これが力を発揮するのは約10時間のみ。それ以外はただの石になり、自然に消滅。これは、もう何の力も無い石だ〕


「そうか……」


 繁は項垂れた。これがあれば、夢でも高円寺綾を救えると思ったからだ。


〔ただ、彼女は夢の中だけ。救えたとしても未来は変えられない。けど……真実は知れる〕


「真実?」


〔彼女がなぜ死んだのか? 何が原因だったかを知りたくないか?〕


 繁は口をキュッと結び、鼻息を吐いて考えた。


 確かに知りたい。マスコミに報道されてない本当の真実があるはず。


「だが、それはあくまでも夢なんだろ?」


〔この石が見せたのは事実を夢で見せたんだ。つまり、夢で過去に戻っていたんだ。お前がいた、あの暴力団のビルも実際にあったし、暴力団の連中も実在する〕



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