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未知夢

第10章 身心

 繁はその話を聞いて、なにか疑問を感じた。


「それ……最初から全部、意味がわかんないんだが……これが映画だったら、見に来た人、みんな頭をひねる」


 すべてが疑問だった。


〔もういい、忘れてくれ……だが、これだけは言っておく。お前はまた未知夢を見る。その時に何も手に出来なければ、今までのお前のままだ。何かを手に入れれば新しい何かが生まれる〕


 そう言うと、心はベンチから立ち上がる。


「それまでこの幻覚は見たままなのか?」


 繁は俯きながら言った。


〔いや、ひとつの真実を今知ったはずだ。この未知夢による現象の事を……おそらく俺が消えた時点で幻覚から覚めるだろう。後は、未知夢に出会えればの話〕


 心の体が徐々に透けていく。


「よくわかんないけど……心がスッとした。ありがとう。それと、ハンバーガーご馳走さま」


〔それも幻覚だ。空腹感は免れたはず……また会おう〕


 心はそう言い残すと、完全に消えていなくなった。


 茫然とする繁。


「なんだったんだ?」



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